PA（ナイロン）には多くの種類があり、上記のように構造的に分類すると少なくとも11種類あります。中でもPA610は、PA6やPA66よりも吸水性が低く、PA11やPA12よりも耐熱性に優れているため、自動車や家電などの材料技術者に愛用されています。

PA6.10 (ナイロン-610)、ポリアミド-610、すなわちポリアセチルヘキサンジアミンとしても知られています。半透明の乳白色です。強度はナイロン6とナイロン66の間です。比重が小さく、結晶性が低く、水や湿気への影響が少なく、寸法安定性が良く、自己消火性があります。主に精密プラスチック継手、石油パイプライン、コンテナ、ロープ、コンベアベルト、ベアリング、ガスケット、絶縁材、電気・電子機器のハウジングに使用されています。

PA6.10 は、環境への影響が少ないハイテク製品に使用されるポリマーです。原材料の一部に植物由来を使用しているため、他のナイロンに比べて環境に優しい素材です。化石原料が不足するにつれて、PA6.10 の使用がますます増加すると考えられています。

性能面では、PA6.10はPA6、PA66に比べて吸湿性、飽和吸水率が大幅に向上し、PA11、PA12に比べて耐熱性が優れています。一般的にPA6.10はPAシリーズの中でも安定した総合性能を持っています。吸水性や耐熱性が要求される分野で大きなメリットを発揮します。